お役立ち情報
お役立ち情報
作成日:2014/02/03
年休の発生要件(前年度出勤率8割)の出勤日数への算入基準とは



年休の発生要件(前年度出勤率8割)の出勤日数への算入基準とは

個別合意による賃金減額の有効性

■事実の概要

タクシー会社がその乗務員を解雇したものの、当該解雇が無効とされ、当該乗務員は職場に復帰した。復帰した後に、この乗務員は、合計5日間の年休を申請したが、会社は、請求の前年度において労基法所定の全労働日の8割出勤という年次有給休暇権の成立要件を満たさないとして、乗務員が就労しなかった上記5日間につき欠勤として取り扱い、上記5日分の賃金を支払わなかった。これは、解雇を争っていた期間について、出勤日数に算入しなかったからである。これに対して、乗務員が5日間について、年休が成立していたとして、会社を訴えた事件である。

1審(さ地判H23.3.23)および2審(東京高判H23.7.28)は、 ともに乗務員の訴えを認めたことから会社が上告したのが本件である。

 

■裁判所の判断

@前年度の出勤率8割以上を年体の成立要件とするのは、労働者の責めに帰すべき事由の欠勤率が特に高い者を対象から除外する趣旨である

労基法39条1項および2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は、法の制定時の状況等を踏まえ、労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項および2項の規定の趣旨に照らすと、前年度の総暦日の中で、就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは、不可抗力や使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものは別として、上記出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものと解するのが相当である。

A無効な解雇の場合は、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれる

無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり、このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから、労基法39条1項および2項における出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものというべきである。

本件について見ると、乗務員は会社から無効な解雇によって正当な理由なく就労を拒まれたために本件係争期間中就労することができなかったものであるから、本件係争期間は、出勤率の算定に当たっては、請求の前年度における出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものというべきである。従って、乗務員は、請求の前年度において同項所定の年次有給休暇権の成立要件を満たしている。

お問合せ
小金丸人事労務オフィス
〒816-0943
大野城市白木原1-11-11 2F
TEL:092-401-7701
FAX:092-405-5167
メールでのお問合せ